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· ルター,聖書,宗教改革500年

マルティン・ルターの言葉(12/3)

しかしあなたは知るがよい、主は神を敬う人を驚くべき仕方で導かれる。(詩編4:4)

 彼はこう言いたいかのようである。なぜ、あなたがたはあれこれ迷っているのだ。なぜ、あちこちに忠告や助けを求めるのだ。なぜ、あれこれの慰めを好むのか。それらはすべて空しくあなたがたの役に立たず、偽りであり、あなたがたは、そうやって自分自身をごまかしているのである。

 見きわめて知りなさい。聞いて信じなさい。この法則は揺るぎなく不変である。すなわち、神を敬う人、神の恵みを得て喜び、み心にかなって生きようとする人は、神が彼において驚くべきことをなさることに耐えなければならない。だが、自分自身や他の被造物の計らいや助けがあなたがたに役立つあいだは、神は決して驚くべきことはなさらない。なぜなら、それは、あなたがたの知恵を超えていないのだから、驚くべきことでは有り得ないからである。

 しかし、あなたがたが、自分自身にも他のあらゆることにも絶望して、その事がらを神の意思にのみ委ねたとき、そのときに、詩編37編6節に記されているように、「あなたの正しさを光のように、あなたのための裁きを真昼の光のように輝かせてくださる」。しかし、それはみな、あなたがたも他の誰も思いもよらないようなときに、驚くべき仕方で行われるのである。(『慰めと励ましの言葉ーマルティン・ルターによる一日一章』)

驚くべきことゆえ、受け入れがたく、信じがたいこともある。でも神が私たちの理解にすっぽり収まらないから希望を抱けるのではないか。(N)